2011年03月05日
★エクセルを使ったLPF、HPFシミレーション★

T型LPF(定K)
T型LPF(λ/4)
T型LPF(汎用)
π型LPF(定K)
π型LPF(λ/4)
π型LPF(汎用)
LPF(ローパスフィルター)系だけでも6種類
HPF(ハイパスフィルター)系も入れると12種類
エクセルで計算させるためにはチョッと整理しなくては・・・
まだデバッグ中ですが定数設定とLTspice回路を作成をしてみました。
エクセルブックはExSpice_2011_02_28.lzhをダウンロードしてください。
無保証ですが御自由に改変などをしてご利用ください。
シミレーションソフトは LTspice をご準備ください。
バグなどがございましたらご連絡いただけると幸いです。
hide.oguraあnifty.com 小椋 秀晴


T型回路


π型回路

中間点で左右同じインピーダンスになるようにZa,Zb,Zkを仮想しています。

T型回路とπ型回路の2つのシートに分けました。
【使い方】はどちらも同じです。黄色のセルにパラメータを入力します。
【Fo】周波数(右側の単位はKHz,MHz,GHz)
   電圧【V】、電力【dBm】【W】
【R1】入力インピーダンス
【Qa】回路のQ
   汎用の┳型は左右回路のうちインピーダンスが高いほうに×((1+Qa^2)/2)してZa,Q1a,Q2aを計算します。
   汎用のπ型は左右回路のうちインピーダンスが低いほうに÷((1+Qa^2)/2)してZa,Q1a,Q2aを計算します。
   定K、λ/4(Qb=1)の回路では計算に使用しません。
【R2】出力インピーダンス(定K(R1=R2)の回路では計算に使用しません)
・定K回路はZk^2=X1k*X2k=X3k*X4k、Zk=R1=R2=X1k=X2k=X3k=X4kによりFc(遮断周波数)の時3dB減衰
 と思いますので、インピーダンス整合するとしたらLPF=0Hz、HPF=∞HZかな?
 現実的にはLPFの場合Fc/2では-0.07dB、Fc/√2では-0.5dB位ですので実用範囲のようです。
 ただしFc/√2では反射(SWR)が気になります。
・汎用はFo,R1,R2,Qaを任意に設定してインピーダンス整合計算します。(検証中・・・)
・汎用のR1=R2,Qa=1として計算してしてもλ/4型と同じ結果になると思います。
・汎用とλ/4型回路のインピーダンス変換は回路定数が左右非対称と対称の違いがあります。
 汎用(左右高低選択とQa)とλ/4型(Zb=√(R1*R2) Qb=1)の違いです。
・λ/4型回路の定数をそのまま乗除(Q変化のように)しても不整合状態です。
 Qa=1つまり(1+1/Qa^2)=2にならないとλ/4型回路が成立しないようです。
・定Kの定数を大きく(π型は小さく)すると整合点らしきものがFcに近づきますが不整合です。
 Qaを大きくすると(1+1/Q^2)が1に近づくためのようです。
 こちらのページにサンプル計算があります。

【耐圧係数】R1の出口電圧をピーク電圧にする為の係数です。



【Points】シミレーションポイント数
【Start 】開始周波数 MHzはMegに変換されます。
【End  】終了周波数 MHzはMegに変換されます。
緑色のボタンを押すと緑枠内の計算とLtspice回路ファイルをVBAで作成します。



動作確認@ LTspice回路ができているかどうか?
 初期状態は4つの基本回路とバッチファイルだけですが、
 たとえばT型回路の定KLPFボタンを押すと  T_LPF_145MHz_R1=50_R2=50_Q=2_2V.ascというファイルができます。
 ファイル名は周波数、入出力インピーダンス、Q、信号電圧の設定によって変わります。
 これをダブルクリックすると関連付けがしてあればLTspiceが起動します。
 さらに【Simulate_Run】をすると黒いウィンドウが現れます。
 【電圧プローブ】や【電流プローブを】使って測定ポイントを指定します。
 【Tools_Copy bitmap to Clipboard】をクリックすると、回路がクリップボードにコピーされます。
 それをエクセルシートの任意位置に【CtrlV】すると回路図が現れます。(便利なコピペ機能です。)
 同様に測定グラフもエクセルシートにコピペします。
 これでLTspice回路の確認ができましたので、あとはデバックに利用できるでしょう。

動作確認A 影像インピーダンスの計算
 これは、LTspiceだけでは検証が心配なので作ってみました。
 回路定数は目的周波数1点で計算しますが、逆算で多点測定してみました。
 ベクトルネットワークアナライザーみたいに・・・
 減衰グラフとスミスチャート表示します。
 R2の初期値は設計インピーダンスですが任意に変更して、
 影像インピーダンスの確認ができます。・・・そのつもり
 スミスチャートに興味のある方はこちらを御覧ください。プロットツールとして使えると思います。

動作確認B 百聞は一見にしかず!
 動作確認しながら動画を作成してみました。
 YouTubeに【エクセルによるπ型回路】と  【エクセルによるT型回路】
 をアップしました。操作の参考にしてみてください。

動作確認C LPF特性確認
 減衰シミレートの場合SG=2VでDecibel表示が見やすいです。
 π型定K 3dB減衰
 π型λ/4 インピーダンス整合
 π型定K Fc=146MHzLPF 102MHz -0.5dB
 π型定K HF用LPF 30MHz 0.37dB
 T型 146MHz Q=3
 T型 146MHz Q=10


動作確認D 汎用インピーダンスマッチング(変換)
 一番苦労している部分です
 汎用はR1,R2,Qを任意値を指定・・・そのつもりですが・・・
 何せ組み合わせが多いのでバグ情報をお願いいたします。
 145MHz 50Ω:  50Ω Q=1
 145MHz 50Ω:  50Ω Q=5
 145MHz 50Ω:  25Ω Q=1
 145MHz 50Ω:12.5Ω Q=1
 145MHz 50Ω: 100Ω Q=1
 145MHz 50Ω: 200Ω Q=1
 145MHz 50Ω: 800Ω Q=1
 145MHz 50Ω: 800Ω Q=5


動作確認E λ/4インピーダンスマッチング(変換)
 Za=√(R1*R2)この条件で変換可能なようです。
 ここでは手作業でLTspice回路のR1,R2を変更しましたが
 エクセル上でもR1,R2が指定できるようになりました。
 145MHz 500Ω:  5Ω
 145MHz 250Ω: 10Ω
 145MHz 100Ω: 25Ω
 145MHz  50Ω: 50Ω【Za=50】
 145MHz  25Ω:100Ω
 145MHz  10Ω:250Ω
 145MHz   5Ω:500Ω


動作確認F 電流ディップ点とパワーピーク点
 Q=5真空管時代にこんな状態を見たような・・・
 Q=10ディップ点とピーク点が接近しているようです。
 実際にはVC変化ですが、Spiceでは周波数変化で見ています。(同じことかどうか?)
 真空管回路はプレートインピーダンスと負荷インピーダンスの比が大きい
 のでQa=Q2a=2でもQ1aが10くらいになっていたとは・・・

 実は回路Qではなくてプレート側のQだったようでした?
 ひとまずインピーダンス整合エクセルの巻きは終了.....^_^

 LTspice単位μ(マイクロ)の文字化け対策
 LTspiceのおかげで動作確認が楽にできるようになりました。
 実際の回路で実験しようとしたら大変なことになるでしょう。
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